一乗寺下がり松の決斗の結末

◆個別指導の学習空間 新琴似教室・あいの里教室の関根です◆

〈 前回までのあらすじ 〉
剣の修行のため諸国を旅した宮本武蔵は、
生涯で六十余度の仕合(決闘)においてその全てに勝利したとされています。
その武蔵が21歳のときに京(京都)へのぼり、名門吉岡道場の門を叩きます。
当主の清十郎、弟の伝七郎が相次いで倒され面目を潰された吉岡一門は、
わずか11才の少年・壬生源次郎を名目人に立てて、
弓や鉄砲も携えた七十人余人のも門弟達で遺恨試合にのぞみます。
前回の私のブログでは、武蔵がこの決闘へ向かうまでのお話をしました。
今回はこの勝負の結末を話していきたいと思います。

では・・・
決戦の舞台は京都、一乗寺下がり松。
武蔵を迎え撃つ吉岡一門は総勢73名。
大将は幼い少年、源次郎。

下がり松の地形は後ろが山で、
周りが田んぼに囲まれており、
真面に行くとなると正面の一本道しかありません。
吉岡勢は武蔵も当然この一本道を通って来るものと思っており、
前方に大勢の兵を配置して
武蔵が下がり松まで辿り着く前に勝負を終わらせるつもりでいました。

夜明け前から陣を構えて暫く経ち辺りが段々と白くなってきた頃、
突然、下がり松のある本陣から悲鳴があがりました。

武蔵は背後の山道を駆け下り、一気に幼い名目人を斬っていたのです。
その後武蔵は一目散に逃げていきました。

こうして一応の勝利をおさめた武蔵でしたが、
少年を無情にも斬り捨てたその行為に悪評が立ちます。
外道、羅刹などと罵倒されながらもじっと耐える武蔵。

「名目人であるからには一軍の大将である。
 何故それを斬って悪いか。
 そもそも責められるべきは
 年端もいかぬ少年を名代とした吉岡の方ではないのか。
 名目人を斬らずして武蔵の勝利は無かったのだ。
 我、事に於いて後悔せず…。」
そう武蔵は呟き、仏像を彫るのでした。

いやぁ・・・カッコイイですねぇ!
私は映画鑑賞が趣味で、宮本武蔵を描いた作品では
原作 吉川英治、監督 内田吐夢、主演 中村錦之助
の「宮本武蔵 5部作」がとても好きで何度も観ました。
(番外編も入れると6作品あります。)
前回は物語としては途中で切ってしまっていたので、
その後が気になる方もいるかなと思い続きを書いてみました。

ここで武蔵のとった行動の善悪は置いておいて、
目的を達成するための論理的思考には興味深いものがあります。

武蔵は天下無双の剣豪を目指していました。
そのために相手として選んだのが吉岡です。
最終的にここまでもつれるとは考えていなかったでしょうが、
武蔵の中で吉岡一門との戦いは目的達成のために避けては通れぬ道でした。
なんかワンピースのゾロみたいですね。

吉岡との最終決戦までには当然、様々な葛藤があったろうと思います。
門弟を数人斬ったところで、果たして勝利と呼べるのか?
じゃあ全員斬る?いやいや現実的に考えて無理!!
そもそも73対1なんてこと自体が無謀なんだから行かなくてよくない?
でも絶対逃げたって言われて天下無双からは遠ざかるし・・・
じゃあやっぱ源次郎を斬る?でも相手は子供だし・・・

現実的に勝利を得るためには子供を斬らざるおえないという結論に達します。
「我、事に於いて後悔せず」と言っていますが、後悔してない訳がありません。
そう言いながらも仏像彫ってるし。
その後の人生で大きな影を背負うことになるのは言うまでもありません。

しかしそれよりも、そこから生きて帰ってきた事の方がとんでもない事です。
いくら奇襲が成功しても、73対1の状況になることに変わりはありませんからね。
大将を斬っても、自分が死んでしまっては意味がありません。
そのため武蔵のとった行動は、
まず吉岡一門が陣に付く前に早々と下がり松へ到着し、裏山から全体の地形や後からやって来た吉岡の兵の配置等を観察します。
そして意を決して山から駆け下り、他には目もくれることなく名目人の子供を斬ります。
他の誰を斬ったところで勝ちにはなりませんからね。
その後すぐさま畦道を走り一目散に逃げます。
吉岡勢は稲が刈り取られた田んぼの柔らかい土壌に足を取られ、これだけの人数がいても武蔵を囲むことが出来ず、追いついても細い畦道では1対1でしか挑めません。
まさに戦略の勝利ですね。

とは言え、理屈ではそうでもとても遂行できるものではありませんが…。
そこは流石の宮本武蔵といったところでしょうか。

武蔵は「我、生涯六十余度の仕合に於いて、一度の不覚も取りしこと無し」と言っています。

目標達成のためによく考えて最善の道を選択し、それに向けてしっかりと準備をしていたことで無敗伝説が作れたのかもしれませんね。
長くなってしまいました、それではまた。

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